江差線叙景詩


江差線叙景詩

江差線は北海道函館市の五稜郭から木古内を経て日本海側の江差に至る。五稜郭〜木古内は青函トンネル経由の津軽海峡線の一部として重要な区間だが、木古内〜江差は閑散とした赤字路線だ。

2015年度に予定される北海道新幹線開業に伴い、五稜郭〜木古内は並行在来線として第三セクター化される。しかし残りの木古内〜江差間はJRの飛び地となってしまう上に利用客が極端に少ない区間なのでその去就が注目されていた.

北海道の鉄道路線の中でも比較的地味な存在の江差線。特急列車や貨物列車が行き交う電化路線とは明らかに表情が異なる末端区間において、まず吉堀〜神明間の山越え区間が潜む。並走の車に簡単に抜かれるぐらいのんびりと峠を登る。

湯ノ岱〜宮越間の川沿い区間は天の川に沿って列車は進む。上ノ国〜江差間の海沿い区間は日本海に沈む夕日を眺めながらの景色は抜群!本数が少ないので日没時刻と照らし合わせて乗るのが難しい。

しかし、この風光明媚な路線が終わりを迎える時が来てしまった。JR北海道はこの区間の廃止を地元自治体に提案し了承された。廃止日は2014年5月12日。

かつては木古内から松前線も出ていたが、青函トンネルが開業する直前に廃止。今回の江差線も北海道新幹線開業する直前に廃止されてしまうのは何とも皮肉な結末に。

晩年は事ある度に訪れた江差線末端区間。駆け足ではあったが、春夏秋冬様々な景色を感じることができた。


■第一章 江差線叙景詩 <2012.1.11撮影>
■第二章 江差線叙景詩 <2012.11.4〜5撮影>
■第三章 江差線叙景詩 <2013.6.11撮影>
■第四章 江差線叙景詩 <2013.11.2〜3撮影>
■第五章 江差線叙景詩 <2014.1.21〜22撮影>
■【ドキュメント】江差線が廃止された日 <2014.5.11撮影>
■【ドキュメント】江差線が廃止された日 <2014.5.12撮影>